FC2ブログ

よろず日誌。

書庫 スピカ よろず日誌。 2018~書庫
By 雪花=風




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. スポンサー広告

ノクターン続編 :: 2015/11/30(Mon)

⑳囚われた天使

⑳囚われた天使


 ペルセネミ迄は結構遠かった。

 途中何度か乗客達は安宿に立ち寄った。

 こうなると一種のツアーみたいなものである。

「ノクターンさん」

 魚が滅多に手に入らない為、干し肉が多い。

 幸い、冒険者組合の通販で麦や芋などの乾燥食料が支給されてはいたが、彼は高齢者に分けてあげたのだ。

「大丈夫、生肉よりは食べやすいからね」 


それから、10日後ぐらいだろうか。

 これより、ペルセネミと言う看板が出てくる。

 そして、酒を片手にガハガハ笑う男。あれがオーナーだろう。

「さーさー入場料を払って下さいよー」 

ノクターン「すみません、降ります」  

ボォオォオオー!!

  けたたましい騒音を立てて、バスは止まる。

客引き「お客さん、ついてるな。今日はディティヴァーユ様のタッグマッチ戦が入ってるぜ」

 (ディティヴァーユ様??)

 顔を見合わせるノクターンとロビン。
 
ロビン 「あそこにパンフレットみたいなのがありますよ、取って来ますね」 

   表紙にディティヴァーユ杯、魔物限定闘技大会とある。

ノクターン「さっきの看板の人だ」


客「ディティヴァーユ様は金持ちなんだろうなあー」

客「そうだよな、しかしなんであんなに魔物を買えるのかね、なんか伝手があるのかい?」

客「昔、冒険者だったとかかい?」

客「そいつは知らねえや」

客「ゴードンが来たぞ」 

 ドスン! ドスン!

 足音を立てて巨大なモンスターが歩いて来た。

客「人間の肉を食べるって聞いたぜ」

客「まさか」 

 一つ目。毛むくじゃら。

 後ろにマネージャらしき少年が付いている。 

客「ノエルだ」

客「いつ見ても可愛いよな、あれでほんとに男かい?」

客「だから変なもんも引っかかり易いのさ」

客引き「ノエルに手を出すんじゃねえぞ、うちのオーナーが黙っちゃいねえからな」

客「でも人の言葉は使えねえって言うじゃねえか」

  ちゃりん。

ロビン「落ちましたよ」

ノエルはぺこりと頭を下げた。 

ロビン「僕の言葉は分かったようですね」

 こそこそ。

 客は不思議そうにロビンを見た。

 別に変わった子ではない。何処から見ても人だ。

ノクターン「ペン?」

ロビン「ペンじゃないんですよ。チョーカーを盗まれたんでしょう。ノクターンさんもペンは見えたんですね。普通の人には見えません」


 ギャーオオオオー

 わーわー!!

 べろんべろんに酔っ払った客も大勢いる。

ロビン「スリに気を付けましょう」 
 
 ピリッツ。

 ビリリ。

ロビン「痛っ」

ノクターン「怪我でもしたかい?」

ロビン「すみません。此処かなり強い魔法がかけてあります。 これを見せて外へさっきの人連れ出して下さい」

 黄色の砂時計と青い札。それとさっきのペンだ。

ロビン「アーラ、アーラ。オレイヤロビン」 

 うぐっ。

 吐き気が襲ってきた。

ロビン「僕、宿予約して来ます」

ノクターン「そう言えば、魔法は苦手だったんだっけ」  

客「やったー俺トーナメント当たったぜ!」

客「お前カジノで昨日、すったばかりだろ」

客「おっと、ディティヴァーユ様だ。俺はちょっくら顔売ってくらー」

ディティヴァーユ「さーさー皆ー今日も陽気にやってくれー。お姉さんたちジャンジャン注ぎな!」

 スタイルの好い酒屋の女達は続々と絡んでくる。

 砂時計がそこで喋った。

砂時計「青い石を砕いて、奴の酒に入れなさい」 

女達を押し退け、ノクターンは庭に出る。

そして、自分の剣で青い石を砕いた。

ノクターン「これぐらいかな」

ディティヴァーユ「乾杯ー」

 酔っぱらいの彼が持っていた杯に青い石が飛んでいく。

 ぴちゃん。

 誰も気づかない。

ノクターン「男の子は、あそこか」

 ぐいっ。
 
 腕を引っ張り、砂時計を見せる。

 黄色い砂がゆっくり落ちていく。

 すると、ペンがチョーカーになり、ノエルの元に戻った。

ノエル「…」

ノクターン「大丈夫、外へ出よう。君はモンスターではない」

 外もどんちゃん騒ぎで彼らを止める者は居なかった。

ロビン「ノクターンさん!」 

ノクターン「返すよ」

 ひとまず宿に入ろうとしたノクターン。

 しかし、ノエルは止めた。

ノエル「私だけ助かるわけにはいきません。それをお貸し下さい」

 
 次の朝。

 枕元に砂時計は置いてあった。

 町中に何やら御触れ書きが貼ってある。

 モンスターを商売目的で売り買いするのを禁じる。テール国王

 空からノエルの声。

「有難うございました」

ロビン「もう、帰ったようですね」 

二人はヘケランに向かう事にした。

 ぐるるるる。

 ?

 振り返るとモンスター達が沢山。騙されて、こき使われてたのだろうか。

「送っていきますぜ、兄貴」

「お達者で!」

 …

 ロビンより、速い。

 あっと言う間。

「では、お気をつけて」

 空は雲も見えず。

 大地は虫も見えず。

 獣道でも普通の動物達にも会わずにヘケランに着いたようである。

 ただ、活気が無い。

「どういう事なんでしょうか」

「あそこは宿みたいだけど…」  


  1. 創作※連載は2018年~サイト内で知人のみ公開。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。